人前での異常な緊張感、こんな状態が毎回つづくのだろうか、と不安に思ったりやるせない気持ちになりますよね。
そんなあがり症の治療方法にはどのようなものがあるのでしょうか。
行動療法によるあがり症の治療
まずあがり症の方の多くは人前で大失敗をしてしまった、などのトラウマがある事が多いです。
このような場合、また同じような失敗をおかしてしまうのだろうかという負のスパイラルに陥ってしまいます。
このような誤った記憶を正すために行動療法というものを行う事で、あがり症の症状が改善される場合があります。
誤った記憶を修正し、それを正しい記憶で上書きをしていく事で解消されていきます。
まずは、知り合いなど少ない人数の前からトレーニングをし、徐々に人数を増やしていきます。
具体的には、以下のような方法です。
1、一人で人前で発表をしている感じで話をする
2、家族の前で発表と同じように話をする
3、複数人の知人の前で話をする
4、知らない人前で話をする
このように、段階を踏んで、ハードルを高くしていきます。
ポイントは、あまり急激にハードルを高くしすぎないことと、失敗をしたら、段階を落とすということです。
失敗をすると、「やっぱり自分はダメだ」というようにネガティヴになりがちですが、段階を下げれば問題ありません。
このように行動を繰り返し、少しずつハードルをあげていくことで、無理のない治療法が行えます。
これはパニック障害などの治療におこなわれる、認知行動療法と同じ原理です。
薬物療法によるあがり症の治療
行動療法であがり症が改善される場合は、比較的あがり症の症状が強い方と言えます。
その場合、行動療法と組み合わせて薬物療法という選択肢があります。
薬物療法と聞くと依存の不安や、副作用、薬に頼りたくないという気持ちも出てきますが、症状の緩和や頓服に使用するぶんにはほぼ体に影響がありません。
薬物療法の副作用としても、眠気やのどの渇き程度です。
薬物療法は、即効性もありその程度によって薬物の強さも選べますので、選択肢の一つに入れておくこともいいかもしれません。
しかし、薬物療法はあくまで対処療法であり、根治治療とはなりません。
薬物を使用する場合、あくまで根治療法の補助という形で使用するのが正しい使い方です。